ワクチン接種が始まったイギリスコロナ事情!

こんにちは。

日本は新型コロナウイルス、ワクチンまだなようで大変そうですね。
私は職業上、仕事場と家の往復する毎日です。連日、1000人以上の方がお亡くなりになっていて、ほとんどが病院やケアホームで亡くなっているそうです。私の職場も他人事でなく、緊張感のある忙しい毎日です。

イギリス新聞
Stay home、Protect the NHS 、Save Lives 新聞記事

私は、12月に一回目のワクチン接種が済み、二回目のワクチンが来週の予定だったのですが、方針変更で2回目のワクチンが3月以降に変更になるかもしれません。私達の2回目の予約枠に、まだ一度もワクチンを受けててない人に受けさせて、1回目の接種人口を出来るだけ増やしたいらしいです。連絡待ちの状態です。しかし、同じ日にワクチンを受けた同僚がコロナに罹ったと聞きました。やはり、2回打たないと効果は薄い様です。この同僚とは一緒に働いてたので、私は月曜日にまたPCR受けます。

ワクチンを受けられる順番リスト 〜誰よりも、高齢者!〜

ワクチンパンフレット
COVID-19 ワクチン

高齢者施設でのクラスターで多くが亡くなっているのを反映して何と言っても、高齢者施設の入居者と施設のスタッフが、まず最初。80歳以上の高齢者、そこのスタッフが最優先。高齢者の介護施設での感染爆発が多いというのが、このワクチン摂取の順番を見ているとわかる。2番目80歳以上の高齢者と医療関係者、最前線(Front-Line)の私たちで治療やケアに関わる人。3番目が75歳以上。

4番目に、70歳以上で、基礎疾患を持ちコロナに罹りやすいと思われる脆弱な人。(妊婦と16歳未満は含まれない。)で、がん治療中の人はこの中に入る。この4番目に該当する人はロックダウン中も自己隔離する様に連絡が来ます。お医者さんは2番目看護師さんも2番目なのだけどまだ受けていないという人もいる。

がん患者について

友人の友人にがんの放射線治療を待っている人がいて、まず治療前にワクチンを打ってからとなり、治療が少し後回しになっている。今後、どうするか国会で論議しようということがニュースにもなっていましたが、結局、3ヶ月伸びた。

がんの人とコロナの人、それぞれ病棟は違うのだけれど病院は逼迫しているし、医療者がコロナになってしまっていたり。

見舞いの家族のことなどもかなり錯綜した状態です。ホスピスもロックダウン時は完全にシャットダウンだったけど、市民から意見が出て、国会でも討論になって、本当に看取りの段階では、家族一人だけ、30分以内の制限を設けて会いに行けるようになった。

国がガイドラインを示し、それぞれの施設での対策に合わせた判断をしつつやっている。 とにかく、病院そのものが、コロナ感染リスクが高いということなので、がん患者側も病院に行くにも行けない状態。

ワクチン接種

1回目だけでは、35%しか効果が無い。高齢者施設では1回目だけでは、またクラスターが起きる。

イギリスは、どこに何人感染したかという情報は少なくて、パニックを起こさないようにかな?その代わり、どこにいけばワクチンが受けられるとか。政府からの強いメッセージはそれなりにインパクトがあるように思います。

新聞 誰も死なせない
誰も一人では死なせない! 新聞記事

この、新聞紙面に明らかなように、「誰も一人では死なせない!」

職種、社会的地位にかかわらず、まずは「命を守る!」という気概を感じます。
Our Mantra is … というのは、目標というより使命!といった意味合いですね。

教会でワクチン接種
教会がワクチン会場に
教会でワクチン接種

イギリスのワクチンは3種類になったそう。 ワクチンはモデルナも追加されました。選べませんが、運搬、保存が簡単なアストラゼネカが主流になると思います。

ワクチンのカードはワクチンを打つともらえ、裏に一回目、二回目の打った日付、ワクチンの種類を記載されます。資料は打つ当日に承諾書にサインする前の待ち時間に読む様に渡されました。

罰則が!
電車などの公共交通機関内でマスクなし。罰金6400ポンド(100万円近く)です。病気や障害で対象外の人は、証明カードが必要です。私のお世話する障害者の方も証明カードを持ってます。

イギリスの新聞記事  〜連日、発信されるコロナ情報〜

新聞 RAISE THE LORD
“君主に賞賛”
  1. 病院の女性スタッフアップ写真の記事の見出し 
    “変異種の高い致死率”
  2. ボリス ジョンソンがその高い異変種について語った定期会見の写真。イギリス発症の変異種は感染力が強いだけではなく、元々のコロナ菌より30%以上致死率が高い研究結果が出たそうです。
  3. 教会がワクチン会場になった事にちなんで、聖書やキリスト教で使われる言葉”君主に賞賛”が見出しになってます。
  4. コロナで病院で亡くなる方へ向けて”誰も独りで死なせない”と言う見出し。緊迫した病院の様子の記事です。死にそうな患者さんに会い来れない家族とタブレットを使って会話をしてお別れさせたりして、どうにか、患者さんが独りで亡くならないように、病院のスタッフは頑張っているそうです。

チャリティー精神で、誰をも一人にさせないコミュニティー

イギリスには「無償医療とチャリティー団体の長い歴史」と言う面が日本とは、大きな違いです。NHSの資金不足、人手不足、予算カットのニュースを耳にしない日が無いのが現実ですが、その一方で、将来の納税者である出生率が毎年落ちる事がないのもまた日本とはまた大きな違いだと思います。違う国のシステムを理解しようと思うと奥深いですね。

元々、イギリスが感染者の多い理由は何なのか?というのは、何か特別なことがあるわけでは無いという気がしています。

クラスターとか、感染した様子を聞くと、学校で子供が移って家に帰って来る。日本にいたときは日本の方が家庭の生活、親子関係などが厚いと考えていたけど、実はイギリスの家庭の濃密さに驚かされています。飲食店が閉鎖になっていても子供は学校に行く。また、チャリティーに限らずコミュニティーの活動も盛んで国はダメだと言っていてもしっかり集まっている感じがします。権利でもあるし地域社会の一員である意識の差、文化の差でもあるかもしれません。

また、がんの人が自宅で籠っていてストレス溜めている場合は大きな助けにもなっている事実がある。

例えば、病院に行けないけど、緊急時はNHSの緊急電話番号にかけると、身体的でも精神的でも落ち込んだ人がかけてくると相談員に連絡してくれる。PCの出来ない人、老夫婦への手当もチャリティー例えばマクミランに窓口があってSWの権限で対応する。昔ながらの電話が機能している。

そして、イギリスは近所での情報交換がしっかりしている。チャリティー、地域コミュニティーがしっかりしている。近所の人が様子を見に行ってくれたり 学校の帰りにお年寄りの様子を見に行ってくれる子供達なんかもいるのが当たり前に小さなうちからボランティア体験をしている。

コロナの時代に限らず、子供達を交えた社会、コミュニティー環境が良くも悪くも存在し機能しているということが見えて来るのはそんなに悪いことでは無いな!と思っています。

     田村ゆみこCoxs