チャリティー マラソン

先日、私は地元の総合病院が開催するチャリティーマラソン大会に参加しました。

この病院には、チャリティー部門があります。チャリティー部門で集まった募金を、国からの予算では補えない治療装置、入院病棟設備、患者さん、家族のサポートなどに使われるそうです。病院はとても大きくいろんな専門科がありますので、科別に募金を募る様々のイベントを開催しています。昨年のマラソン大会は、乳がんの患者さんの為のマラソン大会でした。約800万円ほど集まったそうです。その他にもいろんなイベントを通し、たくさんの募金を集め、今年の春に最新技術を備えたマンモグラフィー装置を購入したそうです。もちろん、この装置はこの地域の住民がこの病院で利用できます。

私の参加した今年度は、脳梗塞患者さんの為のチャリティーマラソンです。募金の仕組みはシンプルで、マラソンの参加費、約2千円がそのまま募金されます。参加者以外にも応援に来た方なども当日募金できます。マラソン大会の運営は、チャリティースタッフをはじめ病院のスタッフや軍の方も手伝ってました。マラソンは、子供用に2.5キロコースと大人用に10キロコースがあります。毎年、子供が楽しめる様にドレスコード(守らなくてもよいので、私は遠慮しました)があり、今年はスーパーヒーロでした。スタートとゴールは、病院の正面。コースは病院の周辺の住宅街を走るロードレース。緊急病棟もある病院なので、道路を一切封鎖せず、みんなで譲り合いながら、車が来たら声を掛け合いながら、とってもフレンドリーに走ってました。近所の住民の方は音楽を演奏して応援してくれたり、給水を手伝ってくれたりして、あっと言う間の10キロでした。合計で900人以上の方が参加した様です。地元の子供から大人までみんな参加してお祭りの様なイベントでした。地域の人達が自分や家族が利用する病院の為に協力すると言った直接的な意味のあるチャリティーイベントだったと思います。募金の使い道もきちんと後に報告されます。マラソンは私の趣味なので、その趣味が何かの為になるのはとても嬉しい事です。今後も、他のチャリティーマラソンに参加する予定があるので、引き続きがんばりたいと思っています!

イギリス在宅緩和ケアケース

みなさんこんにちは。蒸し暑い日が続いていると思いますがいかがお過ごしでしょうか。イギリスの今年の夏は天候に恵ましたが、テロがあったり火災があったりで、落ち着かない夏です。

自分の望む場所、環境での最期

今回は、イギリスでのがん在宅緩和ケアがどういった感じなのかをお伝えしたく、私の過去の経験話をさせてもらいます。

数年前、私はメンタルヘルス専門の独立支援生活所で働いていた時、統合失調症であるトムさん(仮名)と出会いました。トムさんは60代の方で20代で統合失調症になり、40年経っても回復する事はなく、メンタルヘルス独立支援生活所に住んでいました。そんなトムさんが数年前、クリスマスの時期に膝が痛いと言い出しました。何度もファミリードクターに診てもらったのですが、その度に、たいした事ないと思う、疲れか年齢から来るものでは?と言われ、医者は、痛み止めを飲んで様子をみると言う診断でした。何度、診てもらっても何ともないと言われたトムさんが私に言った一言は、「この痛みは僕の妄想のせいなのかなあ?」今でも忘れられません。トムさんは、統合失調症と言う理由から体調不良を訴えても信じてもらえないのでは?という思いがあり、この時も自分を疑ってしまう状態でした。しかし、トムさんの膝の痛みは治まらず、2ヶ月後には歩くのが困難になり、やっとファミリードクターがレントゲンを撮る手続きをしました。レントゲンの結果、膝の痛みは肺からのがんが骨に転移した痛みだとわかりました。この段階で、トムさんのがんは全身に転移していて手術したり化学療法の治療ができる状況ではありませんでした。唯一、どこで緩和ケアを受けたいかと言うのがトムさんに残された選択でした。そしてトムさんは、はっきりと自分の家(支援生活所)で死にたいと言いました。トムさんは、ご家族もいらっしゃらなく、独立支援生活所に長年住んでいて、お友達もいました。トムさんにとっては、自分の家でした。

イギリスでは、トムさんが、緩和ケアを支援生活所の自分の部屋で受けると決めた時からその希望にあったケアを提供するのが、市町村の福祉課や病院の責任です。

トムさんの、緩和ケアの準備はトムさん側から申請すると言うより、向こうから来てくれると言う感じでした。トムさんの基本的な食事、洗濯、買い物の家事は支援生活所のスタッフが担当しました。介護士さんは毎日、朝と夕方に訪問して体を洗ったり、着替えを手伝ったりしてくれました。トムさんの痛みがひどい場合や眠れない時は、夜かかりっきりで介護士の方がベットの横でお世話してくれました。数名いるトムさんの介護士さんの中に、自らもがん治療を受けている方がいました。彼女は、バンダナで抜け毛を隠しトムさんに悟られないよう笑顔で介護してくれました。作業療法士さんは、在宅ケアに必要な介護用品や設備を手配し、体調が変わる度に訪問して、必要な設備を調整してくれました。

がん専門の看護士さんも、1日に2回、必要であれば、いつでも来てくれて痛みのレベルをチェックして、痛み止めを処方したり、呼吸、食欲、排便など、細かい所まで相談にのってくれました。

それに加え、ファミリードクターが週に2日訪問して体調を診断し、何かあった時は電話をすればすぐに駆けつけてくれました。

ボランティアのがん専門の看護士さんも週に一度訪問してトムさんといろんな話をしながら精神的な支えをしてくれました。

トムさんは残念な事に翌年の夏にお亡くなりになってしまいました。家族がいなくても、たくさんの人の協力のおかげで、希望通り自分の家(支援生活所)でお友達に囲まれながら最期を迎えられました。今は数年前に亡くなられた大親友の横でゆっくり眠ています。私も、わずかな間でしたが、トムさんとの貴重な出会いに感謝しています。禁煙を勧める私からいつも隠れてタバコを吸っていた姿や、出掛ける時は、いつもスーツ姿で英国紳士になるトムさんが今でも思い出に残っています。

イギリスの病院には成績表がある!

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イギリスよりこんにちは。

イギリスには日本のゴールデンウイークよりもちょっと早めの春休み「イースターホリデー」があります。イースターはキリストの復活祭ですが、一般的にはお休みを余暇に過ごす方がほとんどです。街のショーウインドーもイースターのウサギと卵の飾りでとても賑やかでした。

今回は、イギリスの病院における「がん治療の評価」についてお話ししたいと思います。

以前、日本在住の乳がんを患っていた母のがんの転移がわかった時、病院選びに困惑しました。

ネットで調べると、生存率や名医の紹介など様々な情報サイトがあり、それぞれに調査の仕方が違うので、どれが信憑性のあるデータなのかわかりませんでした。結局、ずっとお世話になっている地元の病院で同じ先生に診てもらいたいと言う母の考えを尊重しつつ、セカンドオピニオンとして、他の病院にも行きました。良い病院で良い治療が受けられる事を願うのは、誰しもが望むものですが、では、何を基準に何を信用して病院を選ぶのか、とても難しいと思います。

近年、イギリスでは各病院のがん治療をはじめとしたあらゆる病気や疾病の治療評価がNHS(national Health Service) のサイトでわかるようになりました。

イギリスの場合、ほとんどの病院が国立NHSによって運営されているため、評価基準を一本化する事が出来て情報の管理がしやすい事が利点かもしれません。

その病院のがん治療の評価システムの利用はとても簡単で、サイトにアクセスし、自分の住む郵便番号を入れ、病気をがんと選び検索します。

すると自分の通える範囲の各病院のがん治療評価が表示されます。

評価項目は以下のとおりです。

1.初めての診断で、きちんと診断してくれたか

2.初期段階で、がんと診断できた患者さんの率

3.がんと診断されてから62日以内に治療が開始出来た率

4.一年以上の生存率

5.患者さんの満足度

更に、詳しい情報が知りたい場合、「マイ、キャンサー トリートメント」と言うサイトがあり、こちらも郵便番号を入力し、がんの種類別、専門治療科を選ぶと詳しい各病院の各専門科の評価を知る事ができます。

(例)

XXX病院 調査方法

1.乳がん、放射線科

2.コンプライアンス

3.コンプライアンスの全国標準度をどれくらい満たしているか

4.患者さんへのアンケートの結果

4.患者さんの満足度

5.この調査結果で、緊急を要する改善点があったか

6.平均待ち時間

イギリスでは国を挙げて、全ての項目の向上を目指しています。

評価の悪い病院は、運営方法を見直し(新しい医師の派遣や予算を増やす)などの方法で改善を目指しているようです。

難点と言えば、医療費が無料の国営病院なので、住んでいる場所によって選べる病院が限られてしまう事です。

日本にもこの様な統一された信頼できる情報があれば便利ですが、病院の数も多く経営方法も違うので難しいのが現実ですね。

さて、いよいよ私は病院のチャリティーマラソンに挑戦します。

次回のイギリス通信をお楽しみに。

スティーブンの叶えたい46の夢

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イギリスよりこんにちは。

イギリス通信 第二便はイギリスのがん当事者と慈善団体の関係を少し知っていただく為に、イギリス全土を感動させたスティーブンという名の少年の話を紹介します。

スティーブンが15歳の時、ステージ3の大腸がんと診断されました。スティーブンは、いろいろな治療を受けながらブログを始めました。

治療の効果はあまりよくなく、大学と将来の夢は諦めなくてはいけないかもしれないという状況でした。

16歳になった時、叶えてみたい夢として46のやってみたい事リストをブログに載せました。

その内容は、本当に10代の少年が普通にやってみたい事が盛りだくさんでした。

例えば、

スカイダイビングに挑戦したい!

タトゥーを入れてみたい!

プレミアムリーグのサッカー試合が見たい!自分より大きな動物とハグしてみたい!

など。

スティーブンは体力の続く限り、このリストの夢を実現させ、達成した様子をブログに載せていきました。

そして、このスティーブンのリストの中に含まれたていたのが「Teenage Cancer Trust 」という10代でがんに罹ってしまった若者をサポートしている慈善団体へ約150万円の寄付金を集める事。

この寄付金は自分に見返りがある訳でもありません。これは自分のようにがんと闘う若者の役に立てたらという思いからでした。

スティーブンの諦めないで46の夢を実現させていく姿と慈悲深い行いにたくさんの人々の心が動かされました。スティーブンのブログは瞬く間にSNSを通しイギリス中に広がり、約1年間で4億5千万円もの寄付をTeenage Cancer Trust に集めたのです。

その3年後、スティーブンは46の夢をほぼ実現しましたが、がんは全身に転移。19歳の若さで天国へと旅立ってしまいました。

スティーブンが亡くなった後も寄付をする人は絶えず、現在約8億5千万円の寄付が集まってきているそうです。

このスティーブンの行動はたくさんの若年層のがんに対する認識を深めただけでなく、より多くのがんと闘う若者に勇気を与えました。そして何よりもTeenage Cancer Trust を通してたくさんのがん患者の若者達がサポートやケア(専門看護師の派遣、若者向けデザインの病棟、若者へのがんの教育など全て無料です)を受けられました。

この話を通して、少しでもイギリスの慈善団体とがん当事者さんの関係が何となく分かっていただけたら幸いです。

Hello from England!!
In order to explain a little more about relationships between cancer patients and charity organisations in England, I would like to introduce the story about the young man who made many people in England inspired and cried.

The 15-year-old boy, named Stephan was diagnosed with the Stage 3 of colon cancer. He started to write his blog while taking various treatments.

The outcome of treatments was not so good, and because of his condition he had to faced to the reality that he might not to be able to go to the university and also had to give up all his future dreams. When he turned 16, he posted the list of 46 items which he wanted to do on his blog. The lists were a lot of things which an ordinal teenager wanted to do. For example, skydiving, having tattoos, watching the football game of the Premium League, hugging with animals bigger than him, and so on.

Once he had managed to complete his list of dream, he posted on his blog and tried to continue to achieve all listed dreams come true as long as his physical strength lasted.

One of his listed items was to collect donations of 1.5 million yen (apx.) for the charity organisation called “Teenage Cancer Trust”, which supports teenagers suffering from cancer. This does not mean that he could be rewarded from the donation. He just wanted to help the teenagers who suffer from cancer like him. Many people were moved by his generous charitable spirit and also inspired by his challenges that he had never gave up to try to achieve his 46 dreams.

His blog was spread immediately via SNS throughout England and he collected 450 million yen(apx.) donation to Teenage Cancer Trust within about one year. After three years later from that, he managed to achieve almost all of his 46 dreams, but unfortunately,his cancer had spread to his whole body and he died at the young age of 19.

Many people continued to donate even after his death. It seems that the organisation has collected the total donation of 850 million yen today.(apx.)

I think that not only Stephen’s action improved the awareness and knowledge of cancer in younger people but also many young people who suffer from cancer have been encouraged to fight with cancer.

In addition, I would like to emphasis that Stephen helped more young cancer patients to receive care and support from Teenager Cancer Trust by his donations which include a specialised nurse care, ward design for young people, cancer education for young people, and so on ( no fee required, provided by Teenager Cancer Trust ).

I hope this story helped to understand the relationship between charity organisations and cancer patients in England.

Hello from England!

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Frimely Park Hospital Main Entrance
Frimely Park Hospital Main Entrance

はじめまして、イギリスよりこんにちは。

在英歴13年になる裕美子と申します。

イギリスで福祉の仕事を通して学んだ事や経験した事を活かし、 この度、イギリスのがんに関する社会福祉制度、 慈善団体の活動や影響力、 人々の生活など発信させてもらう事になりました。

私の母は日本で数年前にがんで亡くなりました。当時イギリスの医療や福祉制度を既に知っていた私は、 日本の制度に首をかしげる事が多々ありました。 そんな経験を活かし、 イギリスからの情報を発信できたらと思っています。

イギリスのがん患者さんの数は世界で22番目。 日本とイギリスを比較すると、 イギリスの方ががんの発症率は高く生存率も低いと言うデーターが報告されています。(世界保健機構より)

では、そんなイギリスのがん当事者のみなさんは、 どんな悩みを持ちながら日々生活しているのでしょうか? イギリスで行われたリサーチに以下の項目があげられていました

1.精神的な恐怖、不安、心配

2.疲れ

3.寝不足

4.痛み

5.食欲の減少

(Macmillan Cancer Reseachより引用)

日本におけるがん患者さんの悩みとして4つの柱としてあげられて いたのは以下でした。

1.治療の事

2.症状や副作用

3.心の不安

4.経済的、就業の不安

(静岡がんセンターより引用)

イギリスの当事者の方のほとんどの悩みは、 日本と類似していましたが、唯一、「経済的、就業の不安」 と言う項目はあげられていませんでした。

その理由はイギリスの充実した医療福祉制度にあると考えられます。

私は渡英前から欧州は福祉が充実していると耳にしていましたが、 語学留学が目的でイギリスに来たばかりの私はイギリスの医療福祉 の事については、何も知りませんでした。

そんな私が初めて病院に行ってびっくりしたのが、医療代が無料だったという事です。

当然ながら病院には会計のカウンターがありません。

診察室から真っ直ぐ病院を出た時に、 何かを忘れた変な感じがしたのを今でも覚えています。

がん治療で手術、化学治療、 入院などが必要でも全て無料です。

日本では、 まず病気をしたら心配する治療代や入院費と言うものを一切考える 必要がありません。

そして、 イギリスでは社会福祉手当や雇用も日本と比べてかなり保障されています。

お金がないから露頭に迷うと言う概念はまずありません。

社会福祉手当、 雇用法についてはまた今後詳しくお伝えできたらと思っています。


Hello from England.

Nice to meet you.

My name is Yumiko, I have been living in UK for 13 years.

I have the pleasure of sharing some information about the social welfare and care system, impacts of charitable organisations, and life of people with cancer in UK by through my work experiences and knowledge in Social Care in UK.

My mother has passed away in a few years ago in Japan, due to cancer.  When my family and I were planing my mother’s end of care, I have encountered such a difficult experience comparing organising care, support  and welfare for someone in UK. This is my reason that I would like to send messages and information about cancer from UK.

In order to discuss about cancer in UK, I looked into the population of cancer in UK. It was the top 22nd  in the world. Comparing UK with Japan, it was reported that, in UK, the incidence of cancer was higher and the survival rate was lower.(Reported by WHO)

Now, I would like to focus on common feelings of living with cancer.

The following feelings have been listed on the research conducted in UK.

1. Mental fear, anxiety, worry

2. Fatigue

3. Lack of sleep

4. Pain

5. Loss of appetite

(Quoted from Macmillan Cancer Research)

The following feelings have been listed on the research conducted in Japan.

1. About treatments

2. Symptoms and side effects

3. Anxiety

4. Finance matter and Work

(Quoted from Shizuoka Cancer Centre)

Most feelings listed between UK and Japan are similar but “Finance matter and work concerns”, was not listed UK.The possible reason is that UK has better medical and social welfare systems than Japan. Which I have also experienced personally.

When I had had just arrived at UK for studying English, did not know anything about the medical and welfare in UK. Only I had heard was that the European welfare system is much advanced than Japan.

One day I visited the hospital for the first time.What surprised me was that medical fee was free.Of course, there was no the payment reception at the hospital.I still remember that I felt strange like I forgot something when I left the hospital directly from the doctor’s office.

Any required treatments for cancer such as operation, chemotherapy, and hospitalisation are all free.

It is unnecessary for cancer patients in UK to worried about any expenses for treatments,tests and the fee for hospital bed which people in Japan start worried about immediately after the diagnosis.

In addition to that, the social welfare allowance and employment for cancer patients are more considerably supported in UK than Japan.

In UK,  Social security and welfare system protect fundamental life for all citizens. Nobody has never imagined which one day they may become homeless because she/he does not have any work, money or the house to live.

I would like to report more details about the social security and welfare in UK on the separate article in future.