イギリスよりこんにちは。
イギリスには日本のゴールデンウイークよりもちょっと早めの春休み「イースターホリデー」があります。イースターはキリストの復活祭ですが、一般的にはお休みを余暇に過ごす方がほとんどです。街のショーウインドーもイースターのウサギと卵の飾りでとても賑やかでした。
今回は、イギリスの病院における「がん治療の評価」についてお話ししたいと思います。

以前、日本在住の乳がんを患っていた母のがんの転移がわかった時、病院選びに困惑しました。
ネットで調べると、生存率や名医の紹介など様々な情報サイトがあり、それぞれに調査の仕方が違うので、どれが信憑性のあるデータなのかわかりませんでした。結局、ずっとお世話になっている地元の病院で同じ先生に診てもらいたいと言う母の考えを尊重しつつ、セカンドオピニオンとして、他の病院にも行きました。良い病院で良い治療が受けられる事を願うのは、誰しもが望むものですが、では、何を基準に何を信用して病院を選ぶのか、とても難しいと思います。
近年、イギリスでは各病院のがん治療をはじめとしたあらゆる病気や疾病の治療評価がNHS(national Health Service) のサイトでわかるようになりました。
イギリスの場合、ほとんどの病院が国立NHSによって運営されているため、評価基準を一本化する事が出来て情報の管理がしやすい事が利点かもしれません。
その病院のがん治療の評価システムの利用はとても簡単で、サイトにアクセスし、自分の住む郵便番号を入れ、病気をがんと選び検索します。
すると自分の通える範囲の各病院のがん治療評価が表示されます。
評価項目は以下のとおりです。
1.初めての診断で、きちんと診断してくれたか
2.初期段階で、がんと診断できた患者さんの率
3.がんと診断されてから62日以内に治療が開始出来た率
4.一年以上の生存率
5.患者さんの満足度
更に、詳しい情報が知りたい場合、「マイ、キャンサー トリートメント」と言うサイトがあり、こちらも郵便番号を入力し、がんの種類別、専門治療科を選ぶと詳しい各病院の各専門科の評価を知る事ができます。
(例)
XXX病院 調査方法
1.乳がん、放射線科
2.コンプライアンス
3.コンプライアンスの全国標準度をどれくらい満たしているか
4.患者さんへのアンケートの結果
4.患者さんの満足度
5.この調査結果で、緊急を要する改善点があったか
6.平均待ち時間
イギリスでは国を挙げて、全ての項目の向上を目指しています。
評価の悪い病院は、運営方法を見直し(新しい医師の派遣や予算を増やす)などの方法で改善を目指しているようです。
難点と言えば、医療費が無料の国営病院なので、住んでいる場所によって選べる病院が限られてしまう事です。
日本にもこの様な統一された信頼できる情報があれば便利ですが、病院の数も多く経営方法も違うので難しいのが現実ですね。
さて、いよいよ私は病院のチャリティーマラソンに挑戦します。
次回のイギリス通信をお楽しみに。