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見逃さないで、!「赤いヘルプカード」に託す「助けて!」のサイン

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抗がん剤、医療用麻薬の副作用に苦しむ朝の出来事。

 一月の寒い日、電車は満席、私は立っていました。

電車が動き出すと同時に吐き気、首を雑巾絞りされるような、頭がちぎれるような激痛が何度も何度も襲ってきました。

そして冷や汗が一気に出て、体が震えて立っていることができなくなり、その場にしゃがみこんでしまいました。

これは抗がん剤と医療用麻薬の副作用です。

その時、赤いヘルプカードはカバンの外に出ていて、私の前に座っている人のちょうど顔の前にありましたが、その人はもちろん周りの人達も、誰一人私に声をかけてくれる人はいませんでした。

私は10分程かかる次の駅まで何とか耐え、ある力をふりしぼって次の駅で降りました。つらすぎて、どう降りたか記憶がありません。

そして、ホームの椅子に3時間、寒風に晒されながら動けず座っていました。痛みはなかなか治まらず、どうなっちゃうんだろうと不安な気持ちでいっぱいでした。何度も同じ駅員さんが通りましたが、一度も声をかけてくれませんでした。

体もつらかった。それ以上に心がとてもつらくなる出来事でした。

今でも思い出すだけで悲しくなります。

私にとって赤いヘルプカードは、どこかで倒れてしまった時の、そして救急車で運んでもらう時の、体の身分証明書(連絡先、病名や現在の治療状況、運んでもらう病院が書かれた)になってしまいました。

バスや電車に限らず、知らない人に声をかけることは、とても勇気のいることです。けれど皆さんの勇気で、つらさが和らぎ笑顔になれる人がたくさんいます。そしてその笑顔を見ることで、声をかけた皆さんも自然と笑顔になれます。

お互いが今日一日を笑顔で、温かい気持ちで過ごすことができます。

ヘルプカードを持っていなくても、お年寄りや体の不自由な方、妊婦さんなど困っている人に、ひと声かける「勇気!!」、そんな素晴らしい「勇気」と「優しい心」を持ってもらえたら嬉しいです。

私自身も「どうぞ」と声をかける「勇気!!」を心がけて過ごしています。

→「パラメディカ」食道がん闘病記 紹介