江尻直さんに“がん”がみつかったのは2008年9月、38歳の時。大手企業のエンジニアとして、また二人の子の父親として忙しくも幸せな日々を送っている頃だった。直さんを襲ったのは、中枢神経原発悪性リンパ腫という症例の極めて少ないがん。ガイドラインも未だ確立されておらず、治療も手探りの状態…。再発・再々発という現実に立ち向かいながら、治療と仕事の日々を送っている。手術の後遺症である高次脳機能障がいや、治療中の深い抑うつ、仕事復帰の難しさなど、多くのハードルを越え生きる直さんと、彼を支える妻のまなさんの共同執筆でこの闘病記を掲載中。