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パラメディカ Pick Up! 闘病記 〜食道がん

パラメディカ
故星野史雄さんの闘病記古書店「パラメディカ」に 遺された7000冊の闘病記…
ホシノDB
故星野史雄さんの闘病記リストを整理し
順次公開しています

わたしのがんnet スタッフが、食道がん闘病記をご紹介します。

「おばあちゃん ごはん滴ちゅう?」 あるはちきんのがん日記

著者 浜田としえ
聖建築研究所 山本恭弘
自費出版 2009.9.1 
  • 食道がん 
  • 乳がん 
  • 卵巣嚢腫 
  • 胃がん 
  • 食道閉鎖

「はちきん」とは、気丈な土佐女性のこと。
表紙には、スタイル抜群の美しい女性の写真が載っている。

短評

タイトルを見て、友人の土佐の人に「この滴るというのを土佐ではなんと言うのか?」 と聞いたが、いろいろ言い方があるけど?と言う返事。

しかし、文中、3歳になる孫との会話は、このはちきん浜田としえさんの壮絶な闘病を 語っていた。
 食道がんに至る、20歳での胃がんから始まる闘病の日々、決して挫けない背筋を伸ばした生き様、病をしっかりと見据えた人生の気高さだけが印象に残る。

 「おばあちゃん ごはん滴ちゅう?」、文中には「落ちゅう」とある。食道がん手術後3ヶ月で食道狭窄となり、腸ろうを選択したことで、口からの食事は永遠 にできない事になった。身体中をチューブで繋がれた状態で自宅療養に移行する。点滴から栄養をとる際に、注入速度を調整しようとする孫の一言がこのタイトルである。あえて、「滴」を使ったタイトルに合点が行くのである。

 そして、孫の存在、娘家族や友人の存在が生きる勇気を支え続けていると同時に、親しみを込めて言葉にする「はちきん」としえさんの豊かな人生を物語っている。この闘病記は、たとえ、どのような姿になろうと揺らぐことのない「生きる」を描き切った「はちきんの証」と言える。

2021年7月日 読了 スタッフY

自費出版なので、簡単には手に入らないと思うので、可能な限り闘病記図書館から貸し出すことも検討したいと思います。


母はボケ、俺はがん(二世代倒病顛末記)

著者 関根進
日経PB社 1999.8
  • 食道がん
  • 発病58歳 

妻との口コミと井戸端会議、メール仲間の秘薬ネットワーク、インターネットの医療サイト、、、、かくして情報戦が始まった。

短評

著者は雑誌編集部長を歴任。その後メディア評論家として活動中の1999年に食道がんを発病。

がんは情報戦、インターネットで最適な治療方を選びたいと、がんのwebページを走り回り、メール仲間との情報のやりとりの中で模索しながらも自分に合うと思われる方法を見つけていく。それを支える妻との3ヶ月のがん病棟脱出劇。

がんの原因は? を自己流に分析し、ストレスと飲酒と思いに至る。

83歳の老母は病室を徘徊し2ヶ月で退院となり役所や福祉事務所へ相談するも、意気消沈な結果となり、誰もがありうる介護ストレスを抱えていた。これからは介護する側の中高年の方が疲労困憊して病に倒れる例がどんどん増えるに違いない。

世の中がバブルの頃、二世帯住宅、二世帯同居という長者社会の賛美が今や「二世代倒病」と表現している。終わりのページには付録としてインターネット操作解説やwebページ活用便利帳がある。

2021年6月25日 読了 スタッフH


故星野史雄さんの闘病記古書店「パラメディカ」に 遺された7000冊の闘病記は、星野さんの思いを受け継ぎ、私設闘病記図書館パラメディカが伊豆高原に開館しました。原則、毎月第1、第3の金曜、土曜が開館日です。

HOSHINO DBはパラメディカ蔵書のデータベースです。食道がん闘病記をHOSHINO DBに掲載しました。