著者は1940年生まれの元・NHK松山放送局ディレクター。1984年、43歳で“多発性骨髄腫”を発症、八年間闘病生活を続けた。享年51歳。旧満州に生まれ、敗戦の翌年に帰国をしたことから好んで中国を取材し、自身が発病してからは医療問題や難病患者の問題に関心を強めた。難病の中でも特にALS(筋委縮性側策硬化症)の患者・川口武久さんを取材し、亡くなる前夜までビデオのコメントを考えていたという。著者の日記を元にしたこの本には、当初は病名が“骨粗鬆症”と知らされたこと、本当の病名を知って本人が動揺したことなどが書かれている。当時の医師は、家族にも必ずしも本当の病名を告げずに治療したようだ。