がん語らいの交差点 わたしのがんカフェ

星野史雄のパラメディカWeb書店

癌一髪!
悦楽的闘癌記

  • 著者
  • :寺崎 央
  • 出版社
  • :マガジンハウス
  • 発行年
  • :2012年

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星野店主の書評

 著者は1943年生まれの自称「雑文屋」。「平凡パンチ」「ポパイ」など雑誌の編集者・ライターとして活躍。肝臓がんのステージⅣと診断され、“TAE(肝動脈塞栓術)”と放射線治療で治療を受ける。二か月余りの入院中に仲間の見舞いを全て断ったお詫びにと、「花咲比呂志」の仮名で闘病記を書く。肝臓がんでもかなり深刻な病状なのだが、古希を迎えるまで病院と縁がなかったという著者はサービス精神旺盛で、「T字帯」や「検査機器」、「自動支払機」など病院生活のあれこれを描写する。ストレッチャーに乗せられて治療室に向かう際に、往年のテレビ番組のタイトルバックを思い出して看護助手に話しかけ、「ベン・ケーシー?なんですか?それ。」と言われている。