がん語らいの交差点 わたしのがんカフェ

星野史雄のパラメディカWeb書店

イタリアでがんになった

  • 著者
  • :泉 モモ
  • 出版社
  • :PHP研究所
  • 発行年
  • :2013年

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星野店主の書評

著者は1964年生まれのイラストレーター。2004年にイタリアに移住、イタリアとドイツのハーフである夫と結婚、2011年に子宮体がんと診断され、現地で手術を受ける。何よりイタリアの病院事情がよく分かり、逆に日本の医療について考えさせられる本。例えば、イタリアの病室(大部屋)には仕切りのカーテンがないとか。

山田店員からメッセージ

 こんにちは、店員の山田です。 皆さん、マンガは好きですか?僕は大好きなんです。マンガは難しいことを分かりやすく、深刻なことを深刻になり過ぎないように、明るく伝えることができます。
がんの闘病記を書くには、まさにうってつけと言えるでしょう。もちろん、だれにでも書けるものではない、という問題があるのですが。

 このコーナーでは、今回から何冊か、マンガで書かれた闘病記を紹介していきます。その1冊目は「イタリアでがんになった」。イタリアで暮らすイラストレーターの泉モモさんの、軽妙で明るい子宮体がんの闘病記です。異国の地での治療はさぞかし不安なものでしょう。泉さんは日本と違う病院のシステムに戸惑いながら、手術、化学療法、放射線と治療していきます。

 がんになってしまった怖さと治療の辛さに落ち込む泉さんを助けたのは、楽天的でポジティブなイタリア人の明るさでした。その雰囲気と、マンガならではの軽妙な語り口がマッチしてサクサクと読み進んでいくことができます。