本人への告知(2008年10月)

 手術後に私は医師から悪性だったことを聞いていましたが、顔も腫れ上がり意識も朦朧としていた術後の夫には、悪性だったことを言えずにいました。もともとメンタルが弱く、自分が癌だと知ったらそのショックで生きる希望も失ってしまうんじゃないか、というタイプだったので、先生にも術後落ち着くまでは本人には言わないでほしい、と伝えていました。

 毎日、時々覚醒するたびに「悪性じゃないよね?」と聞かれて「大丈夫だよ」と答えるのも嘘をついているようで苦しい日々でした。

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初発治療薬
 一度目の手術から5日後、CTを撮ったところ、「化学療法が劇的に効いて5cm以上あった腫瘍が4日目にして1cm程に縮小している」という嬉しい報告を受け、医師に「悪性だったけれども治療がとてもよく効いていて充分根治できる可能性がある」という希望の持てる告知をしてもらえないだろうか、とお願いしたところ、快諾してくださり、病室でCTの画像を見せながら告知してくださいました(前回の夫の記事で触れています)。

 夫はショックを受けながらも、先生に「あと50年生きたいです」と言い、夫と同い年の先生は「それは寿命としてどうかな~?」と笑いながら「まだまだ充分生きられますよ」とおっしゃってくださいました。

8.DSC_0452_初発治療中


治療中の直さん

 このやりとり、本人の記憶には一部しか残っていないようですが、とりあえす明るい告知に成功。 これで隠し事はなく、一緒に頑張っていける、と気持ちが軽くなった日でした。