高熱と頭痛にうなされていて、よく幻覚を見ました。…

がん一万人の声, 咽頭がん70代 男性, がん治療, 舌がん

今から5年半前に舌癌のために、舌の3分の2と首の両側のリンパ節をすべて切除しました。いわゆる舌亜全摘出手術とリンパ節の郭清手術との両方を受けました。約11時間の手術でした。舌については、太ももから採った皮弁で再建しております。奥歯は上下ともありません。
皆さんも、手術後の痛みがどれほどのものかは経験済みですが、私の場合も手術後の1週間は地獄の日々でした。この1週間は、ただただ激痛をこらえる事、痛みに耐える事、それしか考えていませんでした。それが1日の時間のすべてでした。生活のすべてでした。胸から頭のてっぺんまで、猛烈に腫れあがって、その痛みと頭痛に苦しみました。
毎日看護師さんが顔を拭くようにと熱いタオルを差し入れてくれるのですが、痛くて顔を拭くことすら出来ませんでした。それができるようになったのは、手術後1ヶ月経ってからのことでした。
当時は38度以上の熱で灼熱地獄にでも居るような苦しさで、全身汗でびっしょりでした。それで顔をウチワであおいでもらったら、髪の毛がかすかに動くだけで、痛くて耐えられないほどでした。
舌は2~3倍に腫れ上がり、3分の1しかないのに、口からあふれんばかりでした。鼻に差した管が動いたときの脳に走る痛烈な激痛や、またノドのカニューレのせいで、年中セキが止まらず、その都度胸に熱い激痛が走ったことを今でも忘れることが出来ません。
いつも高熱と頭痛にうなされていて、よく幻覚を見ました。目をつぶると、周りにいる人の声は聞こえるのですが、奇妙なことに天井からスルスルとカーテンが降りて来たり、自分がゴミの山の中で寝ていたり、天井が砂漠に変わって、そこに砂嵐が吹いているのです。自分がそんな妙な環境に居ることを不思議とも思わず、それが現実の世界だと信じていました。今考えると、明らかに幻覚でした。(「口腔咽頭がん患者会」提供)